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昨日は日本海事協会主催のセミナーに参加してきました。

毎年春と秋に開催され、最新の造船技術や、国際条約の動向が聴講できるのでここ数年欠かさず参加しています。

興味深かったのはドローンを使用しての船舶検査と自律運航船の講演でした。

ドローンを使用しての貨物倉内やバラストタンク内部の外観検査。

今までは、内部の腐食やひび割れを検査するため、検査する箇所の高さまで足場を組んでの目視による検査でしたが、作業の効率化のためにドローンを用いて外観検査を行うというものです。

一見簡単なことのように思われるかもしれませんが、ドローンはバランスを制御するために様々なセンサーが搭載されており、とりわけGPSや磁気コンパスは鉄の塊である船舶では正常に機能しません。

姿勢制御のための特殊なセンサーと閉鎖空間で操縦できるだけのオペレーターの技量が求められます。

コンパスアジャスタとして磁気コンパスの自差修正に携わっているので非常に興味深いテーマでした。

ただ一気に普及するかというと、実際の検査では、目視に加えて錆を除去したり、たたいて確認したりと作業も伴いますし、それだけの機能を持ったドローンの価格とスキルをもったオペレーターへの報酬を考えるとまだまだ時間がかかりそうです。

自律運航船については、自動車の自動運転技術を船にもということで、自動運航、自立運航船世界中で研究が進められていますが、その概要についてでした。

研究や開発を行っている企業は、造船会社が主体化と思いきや、グーグルやロールスロイスなどの会社名が。陸の次は海という戦略ですね。

しかし、陸上とは異なり、厳しい気象条件、波高の強弱など運航面の難しさはもちろん、タンカーなどの輸送船は、塗装の腐食も激しいため、恒常的にペンキを塗ったりして補修していく必要がありますし、海難事故の際は近くの船は救助に行くのが決まりですが、そういった問題をどうカバーしていくのだろう?船内には作業ロボットや救命ロボットを置くのかな?

人を乗せる旅客船やフェリーの自動航行は、人命に係ることのため、検査はもちろん船舶法や船員法の法整備にもかなりの時間がかかるでしょうが、輸送船は、数年後に比較的気象が落ち着いた海域での定期短距離輸送という形で実現するのかもしれませんね。怖いようで楽しみです。