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船舶バラスト水規制管理条約附属書の改正等に対応し、現存船に対するバラスト水処理設備の設置期限、及び同設備搭載までの間のバラスト水交換の特例を設けるための関係政令が8月15日に閣議決定され、8月18日より公布、施工されています。

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国土交通省ホームページより

『船舶バラスト水規制管理条約※1が平成29年9月8日に発効予定です。我が国は同条約を平成26年に締結済みであり、これを国内法制上措置するための海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律(海洋汚染防止法)の一部改正法(平成26年通常国会で成立)等関係法令が条約発効日同日から施行されることとなっています。 同関係法令では、同条約に基づくバラスト水の船舶から排出の禁止、バラスト水処理設備の設置の義務付け等について海洋汚染防止法に規定されているほか、現存船へのバラスト水処理設備の設置期限に係る経過措置が関係政令※2に規定されています。

※1 「2004年の船舶のバラスト水及び沈殿物の規制及び管理のための国際条約」は、バラスト水に含まれる生物の排出に伴う環境への被害を防止するため、船舶に対してバラスト水の適切な管理を求めるもの。
※2 海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律施行令の一部を改正する政令(平成26年政令第299号)。

本年7月3~7日に開催された国際海事機関(IMO)の第71回海洋環境保護委員会(MEPC71)において、条約の円滑な実施のための経過措置について審議が行われた結果、
(1)バラスト水処理設備の設置期限
現存船へのバラスト水処理設備の設置期限を条約発効日から2年後(平成31年9月8日)以降最初の定期検査開始日とすること及び
(2)設備搭載までの間のバラスト水交換の特例
条約発効日からバラスト水処理設備を設置するまでの間は、有害となるおそれが比較的少ない水域(陸地より50海里以遠、水深200メートル以上)でのバラスト水交換が義務づけられているが、そのような水域が航路上に存在しない現存船については、この対象としないこと
が合意され、所要の条約附属書の改正等が行われることとなりました。』

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船の重量を調整するもので、空荷のときに船(バラストタンク)に海水を入れるのですが、この水のことをバラスト水と呼びます。

船は人や荷物を運ぶのが目的ですので、ある程度荷物が積み込まれた状態で安全に航行できるように設計されています。そのため空荷の状態のまま航行すると重心が上に行ってしまって、不安定になり横風にあたるとバランスを崩しやすくなり、非常に危険です。

そこで積み荷がないときは海水を汲んで航行するわけです。

しかし、海水だけなら問題ないのですがこの海水の中に様々な微生物が含まれているため、荷物を積み込む際にバラスト水を排出すると一緒に微生物まで排出され、海の生態系を破壊してしまいます。

たとえば、日本で汲んだバラスト水の中にワカメが混ざっていて相手先の国で繁殖し養殖中のロブスターを酸欠で全滅させたとか、ヒトデがほたてなどの食用の貝類を食べてしまう被害が出たなど・・・

また、逆に日本でも外来種の影響で生態系に影響が出ています。

そこで今回の法施行というわけです。最近の船にはバラスト水処理装置が搭載されていますので問題ありませんが、古い船には積まれていません。

そのような船は、1海里=1.852㎞ですので、陸から約93㎞離れた場所で、かつ水深200m以上の場所で海水を汲んでくれ!ということですが、かなりの沖合に空荷で出ていくのもリスクを伴うような・・・

要は早く処理装置を積んでということですね。